千年の愉楽

2005年2月14日 読書
ISBN:4309403506 文庫 中上 健次 河出書房新社 1992/10 ¥599

中上健次が好きだ。地縁・血縁絡み合う、人間たちの描写。汗臭さ・男臭さ。繰り返される交歓シーン。中上の世界は、血と性と生だと思う。読んでいると、熊野の地の神がかった空気を感じる。

彼のファンに人気の高いこの短編集「千年の愉楽」でも、上記の世界は例外なく生きている。中上が描き続けた路地の、不思議な血統を受け継ぐ中本の一族を、人物を変えて続く物語。

文脈がわからなくなるほど長い一文や、緻密な物語り構成も中上の魅力だと思う。

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