働きマン

2005年8月2日 読書
ISBN:4063289990 コミック 安野 モヨコ 講談社 2004/11/22 ¥540

こちらもマンガ。ヒット作品を飛ばす安野モヨコ氏の
男性誌向けマンガということだけど、女が読んでもすげ面白い!
主人公は、出版社で働く仕事命!の松方弘子(名前もすごい)29歳独身。
そしてそのまわりの、いろんな価値観を持った人たち。
働くってこと、「普通の毎日」をここまでリアルに、
ひとりひとりのドラマとして再現したマンガって、なかったんじゃないかな。

NANA 

2005年8月2日 読書
ISBN:4088562097 コミック 矢沢 あい 集英社 2000/05 ¥410

すっかりごぶさたしていたこの本読み日記…
あまり読書をしてなかったというのもあるのですが、
ミクシイ日記の方ばかりに力を入れておりました、反省。

…で、ひさびさに読んだ本と言えば… マンガ!マンガ!
それも久々の、でも前から読みたかった「NANA」でございます。

言わずもがなの大ヒット、しかも世界中で人気、映画化も!
な〜んて話題のマンガですが、
確かに… 読んでみると今までの矢沢作品よりリアルな感じがします。
もちろん架空の世界なんで、有名バンドになるとか
すてきな部屋に住んでいるとか…夢いっぱいの設定もあるのだけど。
少女マンガなのにそれぞれの性格とかダメっぷりとか、
ぐちゃぐちゃな男関係とか、「こういう人いるいる!」って感じ。

自分も同じ世界に住んでいるような感覚になる…
これが人気の秘密ではないかと思いましたです。
ISBN:4048944592 単行本 高木 智彦 角川インタラクティブ・メディア 2005/03 ¥1,600

マスコミ業界で働いていた筆者は、あるドキュメンタリー番組で、
タイのエイズ孤児たちの支援施設「希望の家」を主催する
大森絹子という人物に心をとめる。
毎日忙しく働く合間をぬってタイを訪れた彼は、
どうしても「希望の家」を取材したいという思いを強くする。
その後、金沢大学で教鞭をとっていた大森絹子をたずねて取材の許可を得、
会社を辞め、チェンマイ郊外の「希望の家」に長期滞在することに。
子供達とじかにふれあい、少しずつお互いが近づいていく日常のこと、
山岳民族が抱える問題、タイの習慣などが筆者の素直な目線で書かれていた。
大森絹子ががんで亡くなり、
希望の家の存続問題のところからは特に興味深く読めた。
最後の筆者の決心に、拍手を送りたくなった。
ISBN:4796641440 文庫 中村 淳彦 宝島社 2004/06 ¥800

ある時は女子高生、ある時は人妻に扮し、
知らない男たちの前でセックスを披露し、媒体にのり商品となる
企画AV女優と呼ばれる女たちへのインタビュー。
まるで日雇い肉体労働者のように
自分の体とセックスを切り売りする彼女たちは、
ひとりひとりが家庭不和・借金地獄・精神不安定などの事情を抱えていた。
とても繊細で傷つきやすく、素直で、情の深い女性が多いような気がした。
売れる時期は一瞬という企画AV女優。
いくばくかのお金を得て、最後に残ったものはなんだったのか。
彼女たちのその後が、気になった。

anego

2005年5月9日 読書
ISBN:4093933049 単行本 林 真理子 小学館 2003/10 ¥1,680

最近ドラマ化されたので、久しぶりに読んでみようかな?
と引っ張り出してきたこの本。すっかり内容を忘れていた。
人間って忘れる動物。

ドラマの方は明るいオフィスラブ系のノリに仕上がっているが、
原作の方はけっこうなドロドロ、ちょっとしたサスペンス系だ。
しっかりもので負け犬の主人公が、ふとしたことから不倫に走る。
その不倫相手の妻が精神的にヤバくって、恐怖体験を味わう…という展開。
不倫なんて絶対しない!と決めていても、
突然やってくるものなんだろうか、この主人公のように。
ISBN:409191019X 文庫 萩尾 望都 小学館 1997/04 ¥500

少年を描かせれば天下一品の漫画家、萩尾望都。
ミステリアスで、脆い、彼女の描く少年たちが大好きだ。
「百億の夜と千億の夜」の阿修羅、
「残酷な神が支配する」のジェルミとイアン…
誰にでもあったろう子供の頃の、
狂気的で繊細な世界を、彼女は描ける人なのだ。
この作品でも、そんな子どもの世界に暮らす少年たちが、
大人になろうとする中で
自分達の世界を崩壊させていく物語が表現されている。
原作は、ジャン・コクトー。

世界悪女物語

2005年4月18日 読書
ISBN:430940040X 文庫 澁澤 龍彦 河出書房新社 2000/00 ¥504

ここに紹介されているのは、「小悪魔」なんて生っちろいオンナたちじゃない。
正真正銘の大悪女、一国の運命をガンガン揺さぶりまくった
スケールのでかいオンナたちの物語である。
実際に見た人はいないから、どれも真偽の程は確かではないが、恐ろしい。
たとえば、中国の則天武后。
側室の一人でしかなかった彼女だが、皇后のイスがほしいために、
生まれたばかりの自分の子を殺す。
王の寵愛を受けている側室もめった殺し。
挙げ句の果てに、自分が玉座に座っていたいがために、
自分の兄弟姉妹、そして子供さえも殺してしまったそうな…
ああ、おそろしや!
自分が普通のオンナでよかった、と思える本である。
ISBN:4167590042 文庫 鹿島 茂 文芸春秋 2005/03 ¥590

この鹿島さんという人は共立女子大の文芸学部教授らしいが…
まあハッキリ言ってエロなオタクですね。
よくここまで読んでるなあと呆れる程、
古今東西のエロ文献が出てくる出てくる。
例えばですよ… 一部を抜き出してみると
●一般的に動物のセックスは繁殖のためだけにあると思われがちだが、
ある種のサルでは売春行為、肛門性交、フェラチオ、レズビアン行為があること
●中国のてん足は性行為の重要な器官としても使われていた
●草間弥生の処女告白
●老人ホーム内での80歳代女性の売春行為
などなど…
エロスに関するびっくりなことが満載なのだ。
「こんなん知ってる?」と少しエッチな知識をひけらかしたい時には
もってこいかも…しれない?

everybodyeverything

2005年3月28日 読書
ISBN:4434056069 コミック 木村 和博 マガジン・ファイブ 2005/02 ¥1,365

はっきりいって、タム君のマンガ、絵は上手じゃない。
でもとっても味があるし、かわいい。
スライドで流される線画に、彼のピアノ生演奏が合わさる。
フリージャズ・現代音楽っぽい演奏(激ウマ)は、
一気に会場を不思議な世界にする。

タム君のマンガは、なんてことない日常を描いている。
でも、日常のちょっと見方が違う。
世界を普通の目線で見るんじゃなくて、下から上を見ている感じ。
不思議だったり、なつかしかったり、ほんわかしたり、笑ったり、泣いたり…

こんなマンガが描けるなんて、
きっとタム君自身が心を動かす力のある人なんだろうな。
タム君のやさしい笑顔を思い出した。
ISBN:416767937X 文庫 菅野 朋子 文芸春秋 2005/03 ¥590

韓国が好きか?と聞かれたなら、私は素直に好きだ、と答える。
旅行にも5回も行っているし、食べ物もおいしい。
それに何といっても最近は、韓国ドラマが好きだ。
少女マンガの世界そのままの野暮ったさ、ストーリーがたまらない。
それぐらい、あたりさわりない理由で好きなのだけど。

だけど、韓国人に日本が好きか?と聞けば、
「日本のアニメやアイドルは好きでも、日本という国自体は嫌い」となる。
それは戦争を知らない若者でもそうだ。
韓国全体に「日本は好きになってはいけない」という雰囲気があるのだ。
この本では日本のアイドルに夢中になる韓国の若者を中心に、
日本に対する複雑な感情を、日本人の筆者が聞き取りしている。

日本は嫌い、だけど、日本のいいところは見習いたい。
日本に絶対負けたくない。もっと歴史の反省をしてほしい。
もっと韓国を知ってほしい。
日本はどうせ韓国なんて眼中にないんでしょ。

といった韓国人の台詞は、日本が韓国を見るよりずっと、
韓国は日本のことを見ているのだなあと感じさせる。

だけど韓国人のこういった複雑な感情も、
韓国映画の成功、日本のヨン様ブームで変わってきているような気がする。
それは、常に日本と比べなくても、
ひとつの国として自信を持ちはじめたから。
何の先入観もなくお互いが付き合えるようになるには、
まだまだ時間がかかりそうだけど。
ISBN:4062737914 文庫 角岡 伸彦 講談社 2003/07 ¥600

自身も部落出身である作者が、さまざまな部落出身者にインタビュー、
現代の部落差別の実態を調査する。
「結婚差別」を受けなかった、という作者でも、
やはり部落差別に対するこだわりは、とても深い。
作者は、さまざまな差別の実態にうなずき、
「差別なんかうけたことない、関係ない」と明るく笑う
若い世代の部落出身者にとまどいをおぼえる。
「見えなくなっている」とはいえ、
部落問題が消えることはなかなかないだろう、
それは差別する側も、される側も、
まだまだこだわりが強いためじゃないかという気がした。
ISBN:4804703268 単行本 蝶々 大和出版 2004/05 ¥1,365

小悪魔。おお。なってみたい。
と、手にとる。
作者は… 銀座ホステス。ほう、顔もきれいだ。お嬢風なのに、エロい。
なになに?…ふむふむ。
「美人でなくてもいい、チャームポイントを売れ」(チャームポイント?どこだ?)
「ビジュアルにオンナ感を出せ」(今からか。)
「どんな男も思いのままに操る」(それができないから、悩むねん。)
…と突っ込み所満載なのだが、
世の女性達はこうやって「オンナを売り込んで」いるのだなあ。と感心。
世間の大多数の男から見て「イイオンナ」と言われたないなら、必読である。
ISBN:4062747847 文庫 浜 なつ子 講談社 2004/10 ¥520

一時期「じゃぱゆきさん」として社会現象にもなったフィリピン人女性たち。
彼女たちを追い掛けて、フィリピンまで行ってしまった
「はまり組」の男たちを描く。
美しく、そしてちゃっかり者のフィリピン女性にはまる男たちが多いのは、
フィリピンが日本にはないおおらかさで受け入れてくれるからという。
フィリピンだけでなく、アジアには、社会からはみだしてしまった者を
簡単に受け入れてしまう混沌がある。
日本社会を飛び出して、アジアのどこかに沈没しても、
完全に同化してしまうことなど無理だし、逆に日本に縛られたりもするのだけど、
それでも、アジアは「何でもあり」。その中にいるのはやはり心地いい。

千年の愉楽

2005年2月14日 読書
ISBN:4309403506 文庫 中上 健次 河出書房新社 1992/10 ¥599

中上健次が好きだ。地縁・血縁絡み合う、人間たちの描写。汗臭さ・男臭さ。繰り返される交歓シーン。中上の世界は、血と性と生だと思う。読んでいると、熊野の地の神がかった空気を感じる。

彼のファンに人気の高いこの短編集「千年の愉楽」でも、上記の世界は例外なく生きている。中上が描き続けた路地の、不思議な血統を受け継ぐ中本の一族を、人物を変えて続く物語。

文脈がわからなくなるほど長い一文や、緻密な物語り構成も中上の魅力だと思う。
ISBN:4797490748 文庫 盛田 隆二 新風舎 2003/10 ¥620

う〜ん不思議。読書中も不思議な感覚になる小説なのだ。
「〜〜した。〜〜だった。そして〜〜〜だ。」という調子の短文の連続、
淡々と起こった出来事だけを細かく記述、
登場人物の気持ちの描写はほとんどない。
ただただ、年表のように下諏訪の村から逃れてきた
一人の男からはじまり、現代にまで続く一族の歴史を描写し続ける。
その人物設定はとても細かく執拗で、中上健次を彷佛とさせた。
あとがきで作者が「若かったから書けた作品」と書いていたが、
たしかに書き手の情熱と無垢さを感じた小説。
ISBN:4532191858 文庫 小泉 武夫 日本経済新聞社 2003/07 ¥680

会社に入ってすぐの私の重要な仕事は、
毎日数社の新聞を読み、大事な記事を集めてまとめることだった。
真面目に関連記事をピックアップしていたかというと…
もちろん、ちゃっかり面白記事もチェックしていたのだった。
その中でも本当に面白く、毎回わくわくしながら読んでいたのが、
日経新聞に連載されていたこの「食あれば楽あり」のコラム。
「味覚人飛行物体」とあだ名をつけられるほど食いしん坊の、
東京農業大学教授・小泉先生の食への飽くなき探訪、そしてシズル感満載の文章…
「情熱大陸」にも取り上げられていた小泉先生は、
文章の通りのおおらかさで、そしてものすごい大食漢だった。
そしてなにより、書くことにとてもこだわる人で、
わたしは感心してしまったのだった。
東京農大行こうかな、と一瞬思わせた一冊。

人間ども集まれ!

2005年1月31日 読書
ISBN:4408394599 単行本(ソフトカバー) 手塚 治虫 実業之日本社 1999/02 ¥1,575

さまざまなヒット作品でマンガの神様と言われる手塚治虫だが、作品ごとに雰囲気や画風の違いがあるのは、手塚氏が流行や社会情勢を非常に気にする人だったからだとテレビで見たことがある。
これは手塚氏の作品の中でも「大人マンガ」に類する作品で、傑作といわれているものの一つ。連載されていたのは1960年代のベトナム戦争当時。
主人公の天下太平は不思議な精子を持つ男性で、その精子から生まれた子供は男でも女でもない「第3の性」を持つ。生殖能力がなく、主人の命令を忠実に守る性質から、人間兵器として利用されていき、人間社会に影響をおよぼしていく…といったストーリーが、あっさりとした4コマ風の絵で展開されて行く。
この完全版にはオリジナル版も掲載されていて、途中からまったく違うものになっている。手塚氏の意図を読み解くのも面白いかもしれない。
ISBN:4939015483 単行本 伏見 憲明 ポット出版 2003/03 ¥1,848

私にはゲイの友達が何人かいる。彼らは男性だが、性的対象が男というだけで、なんら他の友達と変わらないのだけど、一度きちんとそういう本を読みたいと思い、手にとった。
ゲイライフの手引書として、自身もゲイである執筆陣が「カムアウト」「親との関係」「病気について」「ハッテンバ」などの様々なトピックスについて書いている。これからゲイとして生きようとする人のための入門書といったところだ。
文中にあったが、今はゲイがそれほど特別な存在でもなくなり、ネットやメールの発達で、今の20代以下の人たちが「自分がゲイだと気づく過程での苦しみ」はそれ以上の年代の人たちより明らかに軽減されてきてるそうな。
むしろカムアウトしたそこからの人生を、どのように充実させるかが今のゲイの人たちの中での問題となっていると知った。もう少し深堀して知りたいなと思った。
ISBN:4901873423 単行本 枡野 浩一 インフォバーン 2005/01 ¥1,260

世界一売れてるカリスマ歌人として人気の枡野浩一氏が、
ブログでの投稿短歌バトルから選んだ優秀作を単行本化。
「笑い」「悲しみ」「結婚」「恋」などのお題で作られた、
現代短歌ならではの作品がずらり。

表紙をあけた一発目の短歌が
「外に出すのが愛なのか中で出すのが愛なのか迷って出した」ですよ。
大笑い。
まあ下ネタ短歌ばかりじゃございません。
でもお題が「こむずかしくない」ところが枡野人気および
現代短歌人気のミソなのだろうと思う。
俵万智以来の短歌界ニューウェーブなのではないだろうか。

それにしても短歌を読むたび、言葉の持つ繊細さ、奥深さを実感させられる。
そしていつも「かなわない」と思うのだ。

少子

2005年1月22日 読書
ISBN:4062739097 文庫 酒井 順子 講談社 2003/12 ¥490

 
「負け犬の遠吠え」でお馴染みの酒井順子氏の、少子化についての考察。
現代日本女性がなぜ子供を生まなくなったのか?女性のさまざまな本音から理由を述べる。
「痛いから」「めんどくさいから」「シャクだから」など
いろいろな理由が挙げられているのだけど、
実際子供を産んでない人の多くは
「結婚もしたいし子供もほしいけど、自分ではどうすることもできない」人の方が多いのではないかと思う。私の周りを見ても「結婚したい」「子供がほしい」と言っている人の方が断然多い。
判断価値が形成される前に親が結婚相手を決めて、結婚させる…みたいな時代は、少子化防止にはけっこうよかったのかもしれない。

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