ISBN:416767937X 文庫 菅野 朋子 文芸春秋 2005/03 ¥590

韓国が好きか?と聞かれたなら、私は素直に好きだ、と答える。
旅行にも5回も行っているし、食べ物もおいしい。
それに何といっても最近は、韓国ドラマが好きだ。
少女マンガの世界そのままの野暮ったさ、ストーリーがたまらない。
それぐらい、あたりさわりない理由で好きなのだけど。

だけど、韓国人に日本が好きか?と聞けば、
「日本のアニメやアイドルは好きでも、日本という国自体は嫌い」となる。
それは戦争を知らない若者でもそうだ。
韓国全体に「日本は好きになってはいけない」という雰囲気があるのだ。
この本では日本のアイドルに夢中になる韓国の若者を中心に、
日本に対する複雑な感情を、日本人の筆者が聞き取りしている。

日本は嫌い、だけど、日本のいいところは見習いたい。
日本に絶対負けたくない。もっと歴史の反省をしてほしい。
もっと韓国を知ってほしい。
日本はどうせ韓国なんて眼中にないんでしょ。

といった韓国人の台詞は、日本が韓国を見るよりずっと、
韓国は日本のことを見ているのだなあと感じさせる。

だけど韓国人のこういった複雑な感情も、
韓国映画の成功、日本のヨン様ブームで変わってきているような気がする。
それは、常に日本と比べなくても、
ひとつの国として自信を持ちはじめたから。
何の先入観もなくお互いが付き合えるようになるには、
まだまだ時間がかかりそうだけど。

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